基本機能
PTFシリーズは、錠剤の摩損度試験装置です。PTF 100には1つ、PTF 200には2つ、PTF 300には3つ、PTF 600には6つの摩損度ドラムが付属しており、USP <1216>、EP <2.9.7>、JP <14>薬局方に準拠して製造されております。本装置はテスト後に自動的にサンプルの排出を行い、分析天秤を接続することが出来ます。
コンプライアンス
錠剤の摩損度試験は、USP<1216>、EP<2.9.7>、JP<14>およびその他の薬局方における錠剤の機械的強度の基準の1つとされています。錠剤は、コーティング、輸送、梱包の過程によってある程度減量されます。本装置では、サンプル数と質量を測定することで、錠剤の減量度を導出します。また、各薬局方に基づいてドラムを回転させ、錠剤の摩損度試験を行います。
自動排出
テスト前に、サンプルから埃を取り除きます。サンプルを計量し、テストドラムに挿入します。テストドラムを開くと簡単にクリーニングが出来るようになります。また、サンプルはテストドラムを開かなくても排出口を用いて排出することが出来ます。テスト方法を選択して実行すると、テストステータスと結果がバックライトに表示されます。
テスト終了後、テストドラムが停止し、サンプルがトレイに排出されます。また、テストドラムの中心軸は取り外し可能です。トレイに排出されたサンプルの破損の有無を確認し、埃を取り除き、再度計量します。テスト前後のサンプルの質量を摩損度として定義し、通常では1 %を摩損度限界と定めて測定を行います。
傾斜角10°スタンド(オプション)
650 mg以上の錠剤、径の大きな錠剤、および特殊な形状の錠剤をテストする際、スタンドを用いると効果的です。本スタンドは折り畳み式であり、装置を約10°傾けることが出来ます。
摩耗ドラム(オプション)
標準で摩損度ドラムが付属していますが、オプションとして摩損ドラムを使用することができます。標準の摩損度ドラムは試験中に回転事に錠剤を転がり落としますが、摩損ドラムは薄い翼との接触によりサンプルを連続的に重みでかかる物理的な圧力下で落とします。
スピード設定
ドラムの回転速度は通常25 rpm(固定速度)に設定されていますが、必要に応じて変更することが出来ます。また、ドラムはプレキシガラス製であり、ドラム本体とカバー(取り外し可能)で構成されています。装置はステンレス製であり、現状のGLP要件に準拠しております。
ユーザーインターフェース
PTFシリーズはクイックホイールとファンクションキーを用いて操作を行います。装置のディスプレイにはLCDを用いており、装置の状態に応じて色が変化します(緑→黄→赤)。
また、本装置はメソッド管理およびユーザー管理システムを搭載しております。その為、編集したメソッドを装置に直接保存することが可能であり、ユーザーを作成し、役職(管理者、オペレータ、技術者など)に応じてユーザーレベルを割り当てることが可能です。
装置を操作する際にはユーザー名とパスワードを用いてログインする必要がありますが、クイックテストに関してはログインせずに行うことが出来ます。このテストは、テストメソッドが指定されていない場合に非常に有効に用いることが出来ます。
内蔵プリンター
PTFシリーズはテストやキャリブレーションの結果を印刷するプリンターを内蔵しております。サンプルの減量度は自動計算され、結果に掲載されます。PTF 100型とPTF 200型はオプションで内蔵できます。
ストレージ
USBメモリを挿入することでメソッドを.csv形式で保存・ロードすることが出来ます。また、結果もテキストファイルとして保存することが出来、装置のファームウェアアップデートもUSBメモリを用いて行うことが出来ます。